沈下修正工事Subsidence Correction Works
TOSHOの沈下修正工事について
沈下修正工事とは、地盤沈下や地盤不良、地震などの土地の変化により傾いてしまった建物を、基礎ごと持ち上げて正常な状態に修正します。地盤状態や沈下の進行状況等により選択する工法が変わります。
また、今までの沈下修正工事ではなんらかの理由で再沈下してしまった場合、再沈下の修正工事費用はお施主様負担となってしまい、それは精神的にも費用的にもかなり大きな負担となっていました。
弊社ではそうした問題を解消すべく、新しく沈下修正工事に対しても、GIR社で10年保証ができる事となりました。詳しくは地盤保証ページへ。
地盤沈下のリスク (基礎・地盤に起因する事故と保険金額)
左のグラフは、家の事故を部位別に集計しています。全体の20.11%が基礎・地盤に起因しています。右のグラフは、支払った保険金に占める部位別の割合になります。
このグラフを見ると、全体の2割ほどしか占めていなかった基礎・地盤の事故も、支払い保険金額の割合に直すと全体の66.35%を占めることが分かります。
つまり、基礎・地盤に起因する事故は確実に起きており、また、事故が起きてしまうと高額となることが分かります。
※上記のグラフは他社のデータを基にしています。
不同沈下がもたらす身体への影響
私たちへの不同沈下の相談のキッカケに「お住まいの方の身体の不調」があります。人間には、本人が意識していなくても常に身体を平衡に保とうとする機能が備わっています。
しかし、不同沈下した家で生活していると「視覚的に感じる水平」と「内耳にある三半規管が感じる水平」に誤差が生じ、人間の平衡メカニズムに狂いが生じます。
その期間が短期間であれば「なんか変だな」とか「頭痛がするな」程度で済む事が多く大事には至りませんが、毎日不同沈下した家で生活していると知らず知らずのうちに「自律神経」に不調を来していきます。
その身体的症状は「目まい」「立ちくらみ」「頭痛」「耳鳴り」「肩こり」「倦怠感」「吐き気」「不眠」など自律神経失調症の症状そのものであり、ひどい場合には寝込んでしまう方までいらっしゃいます。
精神的症状としては、不安感や憂うつ感、イライラやあせり、集中力の低下などさまざまです。また「更年期障害」によるものと勘違いされる方や、そのまま「慣れてしまう」方もいらっしゃいます。
私たちへの不同沈下の相談のキッカケに「特に、お子様がいらっしゃる家庭では注意した方が良いといえるでしょう。
なんだか最近体調が優れないとか、引っ越してからなんだか調子が悪いという方は一度、建物の「不同沈下」を疑ってみてはいかがでしょうか?病院の先生でも、家の傾きまでは突き止める事は不可能ですから「長年の不調の原因は家の傾きだった」という可能性があります。
新築住宅でも既存住宅でも、新たに不同沈下している可能性があります。
沈下修正工事工法一覧
アンダーピニング鋼管圧入工法
沈下した建築物を水平修復すると同時に、不同沈下の再発を防止する工法。
建物の基礎下に鋼管(地盤改良)を設置し、建物荷重を反力にして油圧ジャッキで鋼管を支持層まで圧入することにより、建物の沈下、傾きを水平にする。
アンダーピニング工法施工状況
ジャッキアップ時に生じた隙間調整
適用地盤
- 安定した地盤が深い場合
施工期間
- 約1ヵ月
メリット
- 微調整ができる
- 地盤保証適用可能(地盤条件有)
デメリット
- 工期が長く、高価
- 残土処理が発生する
アンダーピニング鋼管圧入工法の動画による解説
耐圧版工法
安定した地盤が浅い(2m以内)場合に適した工法。
建物の基礎下に耐圧版(鉄板及び地盤改良)を設置し、住宅荷重を反力として、これを油圧ジャッキで加圧し建物の傾きを水平にする。
耐圧版設置
耐圧版工法施工状況
適用地盤
- 安定した地盤が浅い場合
- 不同沈下が終息している
施工期間
- 2~3週間
メリット
- 微調整ができる
- 地盤保証適用可能(地盤条件有)
デメリット
- 適用範囲が狭い
- 残土処理が発生する
耐圧版工法の動画による解説
土台上げ工法
不同沈下が終息し、再沈下の可能性が低い場合に適した工法。
建物と基礎の縁を一旦切り離し、建物だけを水平修復する。
土台上げ工法施工状況
モルタル充填状況
適用地盤
- 地盤が安定している
- 不同沈下が終息している
施工期間
- 1~2週間
メリット
- 比較的早い
- 比較的安価
デメリット
- 再沈下の可能性がある
- 基礎修復が必要
土台上げ工法の動画による解説
薬液注入工法
薬材注入による沈下修正では、<注入施工イメージ図>にあるように布基礎あるいは独立基礎の場合、注入材が固結する前に下から吹き上がるため、建物を上げるまでに“土圧”がかからないと考えています。
注入施工イメージ[1]
固結する前に吹き上がり土圧が逃げるため、注入施工は「布基礎」、「独立基礎」には向かない
ベタ基礎の場合、注入材が“面”で押さえられ、吹き上がることなく固結するため、地盤に堆積物が増えていくことで上方への“土圧”が働くようになると考えています。
注入材は5秒前後で瞬結し、固結することでN値5~7程度と言われており、木造住宅を支えるには十分といえる地盤改良が可能になると考えています。
沈下修正工事の実績としては29cmの沈下修正を行っています。
注入施工イメージ[2]
注入材は5秒前後で固結する材料を使用する
施工実績としては1800㎜×1500㎜の独立基礎を10㎝程上げて修正しています。
実績
こうした薬材注入による効果を考慮すると、地盤の強度を高めることが考えられます。
実際、土木工事の位置付けとして“薬液注入”には地盤を固める「懸濁型」と水を止める「溶液型」があります。
特に、基礎工で根切りが深い場合、近隣障害が考えられますが、「懸濁型」は“土”の密着度を高め地盤を固めます。また、水位が高い場合、水抜けによる“山”の動きを防ぐため「溶液型」による水止め効果が期待できます。